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イベント案内と報告

2022年度 千葉支部講演会(8月21日)

千葉支部2022年11月25日

 本年度千葉支部講演会は、8月21日に千葉市生涯学習センターにおいて、先進工学部教授の南雲紳史先生を講師としてお招きし、「生物と競うモノづくり」と題し、開催されました。南雲先生は、動植物が外部の敵からの攻撃を防御するために作っている天然物を化学合成できないか研究されています。

 講演会では、南雲先生の講演後、先生の有機合成化学研究室で日々研究を進めている学生さんの榎本りかさん、越塚稚葉さん、濱田創太さんからも学生生活についてのお話を伺いました。

 当日は支部会員の他、本部から上原会長、神奈川支部 長谷川支部長、埼玉支部 岡田支部長、東京支部 新田副支部長、更に千葉支部OBの方々にも多数お越しいただき、オンラインも含め約30名の方にご参加いただきました。

 

 講演会は、市川相談役の司会により、今中支部長の挨拶の後、南雲先生のプロフィールを紹介して始まりました。

 

 はじめに、南雲先生から、趣味についてお話があり、バードウォッチングが趣味で、森の宝石と呼んでいるキビタキが好きだそうです。キビタキのさえずりは、ソプラノを聞くようで、八王子キャンパスのセミナーハウス近くの森で6月ごろさえずっていて、繁殖している可能性もあるとのことです。お話を聞いて、ちょっとだけキビタキのさえずりが気になりました。

 生物が作っているものを人工的に作ってみようという研究で、35億年の生物と違った天然物を作っていきたいということで、最初に分子模型を使って、参加者の皆さんに穴の開いた玉に、棒をさして、ベンゼンの模型を作ることから説明されました。

 裏のテーマとしては「犬も歩けば棒に当たる」、立ち止まらず、動いていれば、面白い研究にあたるを座右の銘にしていらっしゃるそうです。模型を作りながら、時には学生さんに教えてもらい先生のお話を聞くので、理解が深まります。

 ナイフや改札を例に、左利きの人が苦労することから非対称の重要性を示され、本日のキーワードの「キラリティー」右手と左手の写しあった関係と同じように分子にもあることを説明いただきました。

 抗がん剤などの医薬品は、天然物で作られていますが、少量しか得られないため、化学合成により開発することを研究されています。

 大学生の子どもを持つ親にとっては、外敵からの攻撃に対して、若かりし頃と比べたら防御能力が徐々に低下していますが、先生方の日夜の研究によって健康が支えられていることを知り、感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございます。

 最後に、思い違いをしていても、思いがけない偶然に巡り合うことがあることから、偶然の出会いを大事にしたいとお話をいただきました。

 次に研究室の学生さんから学生生活について報告がありました。

 濱田さんは生命化学科2年生の雰囲気について、個性的な学生が多く、メリハリのある生活を送っていること。3年生の越塚さんは、コロナにより対面授業ができず一番苦労している学年であることやこれからの進路のこと。大学院1年生の榎本さんは、興味のあった香料の研究職を目指し大学院へ進学したことと大学院での研究の流れについて発表がありました。

 学生の皆さんからは、工学院で将来へ向けてひたむきに努力している様子が伺え、頼もしく感じました。

 

 終わりに、南雲先生から、日本の競争力が低下しているのは、ドクターの数が違うためで、ドクターへの進学については社会の理解が違っている。大学院ではドクターは苦労を買っていて、粘り強いのはドクターである。と日本の地盤沈下を危惧されていらっしゃいました。その後、「自然科学分野の引用論文数 日本は過去最低の12位に後退し、初めてトップ10から陥落」とニュースが伝えていました。

 

 渡部副支部長から閉会の言葉があり、講演会は終了しました。

 

 講演会終了後、イタリアンレストランでオーナー手書きのコーガくんとクイーンちゃんに迎えられて、南雲先生と学生の皆さんを囲んで懇親会を開催しました。

 千葉支部では、久しぶりに大学の先生や学生さんと支部会員・OB・首都圏支部の皆さんと親睦を深める良い機会となりました。リモートでは会話をするタイミングが難しい場面でも、対面ではスムーズに交流を深めることができました。学生さんと同様、これまで普通であった対面の大切さを改めて感じ、これからの支部活動の交流につながっていくと思いました。

 

(記:千葉支部会計監査 石渡哲郎)

 

 

①講演中の南雲先生

②分子モデルを作ってみよう!

③学生さんの発表

④懇親会の様子

⑤懇親会での南雲先生

⑥コーガ君クイーンちゃんと集合写真

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