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イベント案内と報告

近畿支部 渡部隆史教授 講演会報告(2019年8月31日)

近畿支部2019年11月15日

 教育推進機構 基礎・教養科 渡部隆史教授・副学長をお招きし、大阪市立難波市民学習センターに於いて、『巨大加速器と宇宙と日常』というテーマで講演会を開催させて頂きました。
 講演会参加者は近畿支部12名、本部役員2名でした。

 

【プログラム】
1.開会・挨拶(中島喜代美支部長):13:30〜
2. 第1部:講演会『巨大加速器と宇宙と日常』(渡部隆史教授):13:35〜
3.休憩:15:20〜
4. 第2部:『図書館の話、その他』(渡部隆史副学長):15:40〜
5.閉会の挨拶・片付け:16:10〜16:25
閉会後、懇親会:17:00〜「串カツ居酒屋 心斎橋のおあしす」

 

 第1部は『巨大加速器と宇宙と日常』のタイトルで、主に素粒子物理学に就いて、詳しく且つ解りやすくお話していただきました。素粒子物理学は「物質を構成する基本となる粒子は何か?」と云う問いから始まった。原子の考え方(概念)はギリシャ時代からあるが、基本粒子と考えるには元素の数が多すぎる(現在118元素)ため、基本粒子では無いだろうと考えられた。

 20世紀に入りエネルギーの高い荷電粒子(アルファ線や電子)を原子にぶつける事によって、原子が内部構造(中心に核)を持つことが判明し、これが量子力学や原子核物理学として進展する。

 その後、高エネルギーの荷電粒子を作るための装置(=加速器)が開発されると、次々に重い粒子(中間子やクォーク等)が発見され、素粒子物理学として進展していくこととなる。渡部教授の研究テーマであるヒッグス粒子は現在一番重い粒子と考えられており、ヒッグス粒子生成に必要な高エネルギー状態を作り出すためにILC(国際リニアコライダー)のような巨大加速器が必要となる。

 高エネルギー状態を研究することは、宇宙の始まり、すなわち、ビックバン直後の状態を研究することと同じであり、渡部教授の研究室が宇宙物理学研究室とされるのはそのためである。また、ILCのような巨大加速器を開発するために成される技術的進展には波及効果があり、例えばIoT技術その他で私たちの日常生活を向上させる原動力となっている。

 スライドを用いた講演が終わった後は活発な質疑応答がなされた。特に、今年3月のSPring-8見学と今回の講演内容がオーバーラップし、話の内容もよく理解出来たと云う発言も多かった。(写真②③)

 第2部の『図書館の話、その他』は副学長としてコンセプトやデザインに関与した八王子キャンパス新2号館(2016年度竣工)及びその中にある図書館に就いて、想いも交えて語っていただきました。

 八王子キャンパス内の雑木林を伐採して建てられた新2号館には伐採した木を曲がった板のテーブルとして使用するなど、様々な「かたち」が学習意欲のみならず、創造意欲をかき立てるような、且つ、居心地が良く長居出来そうな「場所」としてデザインされているようです。

 特に興味深かったのは、ブランコ状の椅子や2人用個室があること、雑誌閲覧室を土足禁止にしたかった事等々で、自分には思いつかないようなことを考えているのだなぁと感心しました。(写真④)

 閉会後は串カツのお店で懇親会を行い、そのあと大阪道頓堀散策をしました。渡部教授とは講演会の延長のような話その他でヒートアップし、食べ放題の時間を忘れて親睦を深めました。(写真⑥)

 

①開会・ご挨拶

②第1部:『巨大加速器と宇宙と日常』その1

③第1部:『巨大加速器と宇宙と日常』その2

④第2部:『図書館の話、その他』

⑤講演会参加者集合

⑥懇親会~大阪道頓堀散策

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