2018年11月17日・18日にバスで山梨県へ向かい、一泊二日の研修会を開催いたしました。代議員、顧問及び先進工学部の南雲先生を含む20名が参加し、宿泊施設として富士吉田セミナー校舎を利用させていただきました。天候にも恵まれ、いつも遠くから見ている富士山を間近で見ることが出来、また色づいた木々に秋を感じる二日間となりました。
【一日目】
「山梨県立リニア見学センター」
2003年に世界最高速度(当時)を記録した試験車両の実物展示やリニアジオラマ、浮上走行が模擬体験できるミニリニアなどがあり、50年以上にわたるリニア開発の歴史を見て学んで体験できる施設でした。
2027年開業予定のリニア中央新幹線(品川・名古屋間)への期待が膨らみました。当日は走行試験が行われており、幸運にも目の前を時速500㎞で走り抜けるリニアを目にする事が出来ました。
「ほうとう不動東恋路店」
富士山にかかる真っ白な雲がふわりと降りてきたような一風変わった建物が、南に見える富士山と一体になって風景を作っていました。この建物は2014年に工学院大学で非常勤講師をされていた建築家の保坂猛氏が設計されたものです。ご縁を感じながら名物の熱々のほうとうをいただきました。
「忍野八海」
2013年6月世界文化遺産に登録された富士山の伏流水に水源を発する神秘的な湧水池です。茅葺屋根と富士山を背景にした田園風景に、外国の方も含む多くの人々が訪れており大変賑わっていました。日本の名水百選にも選ばれている透き通った水に、心が洗われるようでした。
「富士吉田セミナー校舎にて」
先進工学部生命化学科教授の南雲紳史先生に「有機化学の可能性」について、ご講演いただきました。
まず分子模型を組み、分子が立体的なものであることを理解しました。またお酒を飲んだ時に体の中で起こる変化や、メタノールを飲むとなぜ失明してしまうかなど具体的な例を用い、化学反応について詳しく説明していただきました。炭素原子を含む化合物を有機化合物と呼び,それは一億種類以上もあるそうです。人間の身体に起こる化学反応を調整する医薬品は、その多くが動植物や微生物などが産出する有機化合物でつくられるが、天然からはごく微量しか得られないため、化学合成により大量生産できるようにする研究が進められているそうです。先生の御研究により世界で最初の全合成に成功したセコスリキシドなどの説明は大変興味深いものでした。化学は哲学を基盤とし、批判的に物事を疑い、想像を膨らませ、それを理論的に再構築することだと、先生はおっしゃっていました。様々な可能性を秘めた科学の世界に引き込まれる貴重な時間でした。
講演会終了後、ボリュームたっぷりの夕飯を美味しくいただき、その後懇親会では、会員同士打ち解けて会話も弾み、笑顔の絶えない楽しい時間を共有できました。
お風呂にもゆったりとつかり、清潔に保たれているセミナー校舎で気持ち良く過ごすことができました。
【二日目】
「北口本宮冨士浅間神社」
まだ朝の冷たい空気が残る中、霊験あらたかな浅間神社を参拝しました。境内には崇高な空気が漂っており、歴史ある拝殿や神楽殿、樹齢約1000年の太郎大杉や夫婦桧などをゆっくりと見て回り、雄大なパワーをいただいてきました。
「富士山世界遺産センター」
まず目に飛び込んできたものは、和紙でデザインされた全長15m(約1/1000スケール)の富士山のオブジェ「冨嶽三六〇」でした。美しい照明の演出により、四季や一日の時間の流れを体感出来るものでした。富士山山頂から拝むご来光や雲海、また麓の0合目から山頂までの疑似登山が体験できる映像などもあり、富士山をより一層身近に感じる時間でした。
「桔梗屋本社工場」
生産ラインの見学と、今大人気の信玄餅の詰め放題を体験してきました。事前に効率の良い詰め方のコツを教わり、丁寧にビニール袋を伸ばすことから始め隙間なく慎重に詰めていきました。一番多く詰めた方は19個詰でした。皆それぞれの目標を達成し、飛び切りの笑顔で会場を後にしました。
その後近くの「イタリアントマトクラブ笛吹店」にて昼食をとりました。
「シャトー勝沼」
ワインの製造工程と、たくさんの樽が横たわる地下貯蔵庫を見学しました。気に入ったワインがあれば樽で購入することも出来ると聞き、スケールの大きさに驚きました。試飲コーナーでは新酒やにごりワインをはじめ10種類以上のワインの他、ぶどうジュースやぶどう酢もありました。今年は日照に恵まれたため、ブドウの糖度が高く、甘いワインが出来上がったそうです。
移動中のバスの中では、クイズやビンゴ大会なども行い、盛りだくさんで充実した内容の研修会となりました。大いに見聞を広め、また会員相互の親睦も深められた二日間となりました。
埼玉支部は「明るく楽しく和気あいあい」をモットーに今後も活動を進めてまいります。皆さまの積極的なご参加をお待ちしております。
最後となりましたが、お忙しい中ご同行・ご講演頂きました南雲先生、富士吉田セミナー校舎の皆様、後援会事務局の皆様、そしてご参加くださいました皆様に、心より御礼申し上げます。ありがとうございました。
(記:副支部長 平野真弓)