工学院大学
学長 佐藤 光史
昨年末頃に発生した新型コロナウイルスの感染は、グローバル化した社会の中で広がり続けてパンデミックとなりました。4月7日には、日本においても政府から緊急事態宣言が発せられ、社会的な活動に大きな影響が及んでいることはご存じのとおりです。
すでに、学生の皆さんへご連絡を差し上げましたとおり、各個人への感染の危険性を排除し、また社会における感染拡大防止の観点から、本学は授業開始を繰下げ、大学構内への立入を禁止しております。これにより、学生の皆さんには多大なご不便をおかけしており、また保護者の皆様にもご心配をおかけしております。本学は、このような状況下におきましても、様々な方法で教育力を強化し、学生の皆さんにその成果を還元できるよう努力していく所存でございます。
本来であれば、学生の皆さんが授業などのためにキャンパスに集まることが望ましいのは言うまでもありません。しかしながら、今回の新型コロナウイルス禍の影響は短期間で収束する兆しが見えず、一層の外出自粛が望まれております。そこで本学は、学生の皆さんの向学心に応えられる教育活動継続のために、4月当初に文部科学省から発せられたガイドラインに沿った遠隔授業(オンラインでの授業)の実施を決定し、5月11日開始として学生の皆さんにお知らせいたしました。
この遠隔授業により、自宅通学生はもとより通学圏外のご実家や海外にいる学生の皆さんにも、外出することなく安全を保てるご家庭において受講して頂くことができます。また、授業開始日については、当初計画しておりました授業時間の確保や、授業の到達目標の変更なしに実施できるように設定しております。さらに、このような環境下であっても、登録可能単位数を減じることなく履修できる環境を用意すべく、さまざまな困難の中で教職員一丸となって鋭意準備を進めております。
学生の皆さんには、ホームページや学生ポータルサイト、電子メールによって、大学をはじめ、所属する学部・学科などから、毎日のように連絡事項をお届けしております。来週には、履修登録開始の目途も立っておりますので、保護者の皆様におかれましても、学生の皆さんが状況を把握しているか、ご確認賜れば幸いです。
本学は、保護者の皆様の組織として、他大学に例を見ない70年の歴史を有する工学院大学後援会が自主的に運営されていることを誇りにしており、多くのご支援、ご協力により、さまざまな危機を乗り越えてきた実績がございます。皆様のご健康を心より祈りますと共に、引き続き本学の新型コロナウイルス感染症対策、ならびに教育活動にご理解を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。