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2023年01月11日
12月3日に工学院大学八王子キャンパスで、神奈川支部文化見学会を開催いたしましたので報告いたします。
神奈川支部の文化見学会は、大学の先生の講話と施設の見学や体験をする支部行事になります。今回の文化見学会では「工学院大学 情報学部」をテーマに、講演会では情報学部の蒲池副学長に講演いただき、見学会では工学院大学八王子キャンパスの情報学部に関連する施設を見学体験しました。
○文化見学会(講演会と見学体験会)の概要
(1) 講演会
講 師:工学院大学 副学長 情報学部 情報デザイン学科 教授 蒲池 みゆき先生
演 題:人は何をみているか ~ 顔研究とVR研究の最新成果を通して ~
(2) 見学体験会
場 所:工学院大学 八王子キャンパス
内 容:① 昼 食 (18号館);学食の体験
② 蒲池研究室(2号館);研究内容等を学生さんに教えてもらう
③ V R 室(2号館);ゴーグルを着用してVR体験
④ 図 書 室(2号館);全体的に見渡す程度
⑤ 八王子キャンパス ;構内の坂道を体験(2 号館 ⇔ 9号館)
⑥ 音響測定室(9号館);反射音のない世界を体験
⑦ 残 響 室(9号館);音の知覚を体験
(3) 参加者
当日は神奈川支部37会員、56名の他に、埼玉支部から岡田支部長がお越しくださり、総勢57名の方が参加してくださいました。
この文化見学会は、2019年度に行って以来、3年ぶりの開催になります。当日は天候にも恵まれて、とてもいい気持でキャンパス内を見て回ることが出来ました。
八王子キャンパスの食堂(学食)が11:30から営業を開始しますので、受付を11:00から11:30まで行い、黙食ではありますが、参加者の方々には学生気分で学食を楽しんでいただきました。
講演会は、工学院大学副学長 情報学部情報デザイン学科教授 蒲池先生を講師としてお招きし、演題「人は何をみているか ~顔研究とVR研究の最新成果を通して~」を講演していただきました。
内容がとても面白くて、1時間があっという間でした。時間が許せるのであれば、倍の時間でお話していただきたいと思ったほどです。
工学院大学着任前(九州大学およびATR研究所に所属時)に集められた顔に関わる人の知覚や機械認識の実験のために集められた顔画像データベース集は、今では3,000件もの場で使われている貴重なデータだそう。一人一人の顔を地道に集められたそうです。また人の顔認知はおよそ2歳までに発達が完了するといわれているらしく、コロナ禍よりマスクで顔を覆っているため、顔ニューロン(生物の脳を構成する神経細胞のこと)の発達が止まってしまうのではないか?などなど、本当に興味深いお話ばかりでした。
講演会終了後は、参加者を6つの班に分けて班ごとに学生さんが引率してくれて、2号館と9号館の見学体験会を行いました。移動中も引率の学生さんから説明を聞いたり質問したりしながら、2号館から9号館までの結構な坂道を体験しました。
9号館にある音響測定室(無響室)と残響室は、音響デザイン研究室の高橋義典先生と3年生2名の学生さんが説明をしてくださいました。
音響測定室(無響室)では手を打っても音が吸収されてしまい打った時の音だけで留まり、逆に残響室では手を打った音が響き続ける体験をしました。両施設共にとても不思議な空間でした。
ここまで本格的な設備があるのも、さすが工学院だからこそでしょう。
2号館では、蒲池研究室(認知情報学研究室)とVR室を主に見学体験をしました。
蒲池研究室(認知情報学研究室)では、自分の顔をAIで別人の顔に変換した画像(リアル動画)を見せてくださいました。多くの有名人のサンプリングから人気があったのは、女優のエマ・ワトソン(ハリーポッターのハーマイオニー役)、男優ではキアヌリーブス (マトリックスのネオ役)でした。バットマンのジョーカーもサンプルの中にあって、まるで別人の顔が自分と同じ顔の表情をしている画像は、奇妙であるものの面白く恥ずかしくもあり楽しんでいただけました。
VR室では、ゴーグルを着用してVR体験をしました。視線で的を当てるゲーム感覚なVRや、仮想空間の部屋で物体を持って運ぶVR、両足首に装置を装着して仮想プールの中でループを潜って進むスキューバーダイビングのVRを体験しました。
皆さん、不思議な感覚に悪戦苦闘しながらも、楽しんでいらっしゃいました。
蒲池研究室とVR室は、同研究室の修士2年生2名、修士1年生3名の学生さん達が準備、設置、デモンストレーション、セッティングをしてくださり、そして丁寧な説明もしてくださいました。
研究室の主な研究テーマである、顔や声の知覚認知過程の研究や、ロボットやコンピューターグラフィックスによるインターフェース評価の研究からなるもので、日々研究している学生さん達の成果を垣間見れて感動するばかりでした。
末筆ではございますが、今回の文化見学会に参加してくださった会員の皆様、講師をしてくださった蒲池先生、見学体験を支援してくださった高橋先生、各施設での説明や引率してくださった学生さん達、そして運営をサポートしてくださった後援会事務室の方々、皆様に心から感謝申し上げます。
本当にありがとうございました。
(記:副支部長 佐藤 八千代)