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2013年11月05日
■村上先生のご講演と学内防災関連施設の見学
台風18号が接近しつつある9月14日(土)、神奈川支部では「文化見学会」を工学院大学新宿校舎で開催致しました。
講師に建築学部まちづくり学科准教授の村上正浩先生をお迎えし、『地域防災拠点としての大学をめざして』と題してご講演を頂きました。
村上先生は、「いのちを守る『地域防災拠点』になることを目指している工学院大学が、地域社会に対し支援できることは何か?」といった趣旨のお話をなさいました。
このご講演において、興味深く思ったことは以下のことでした。まず、東日本大震災の発生時における大学による帰宅困難者への対応は、「学内対応」と「学外対応」に区別されていました。「学内対応」としては、学生や教職員の安全確保の視点から校舎内待機を大学側が指示し、待機者の名簿を作成することを実際に行ったとのことでした。次に「学外対応」としては、震災発生から数時間後に、新宿校舎の1階アトリウムおよび地下1階ラウンジへ、大学側は帰宅難民となった学外者受入準備を開始したとのことでした。そして、災害時に自力で避難することが困難な災害時要援護者を含む学外者に対して、防寒やセキュリティなどの震災対策に取り組んでいたこと、交通網の混乱や停電などの震災による災害に関連する情報提供が行われていたことが話題として取り上げられていました。
震災時において、大学側が取ったこれら迅速な行動は、2007年から本学を「減災・防災活動」のための地域拠点と位置付け、学生や教職員が地域の公共機関と連携して地震防災訓練を実施していたからこそ、出来たことだと思います。改めて、村上先生の「自分たちも被災者であるけど支援者になれる」という言葉が印象的に思えました。
村上先生のご講演後に、工学院大学新宿校舎の防災関連施設を見学しました。この見学で訪れた各階の「防災備蓄倉庫」や「災害対策本部」には、数々の防災備品が備蓄されていました。中には女性の視点に立った防災品なども常備され、大学側のきめ細かい配慮に感心しました。
また、見学会において印象深いと思ったのは、「あなたの思い出まもり隊プロジェクト」でした。このプロジェクトは、東日本大震災の津波で汚れた写真を修復して、依頼者の元へ返すという作業をしているとのことで、実際に修復作業中の学生さんの様子も見学させて頂きました。このプロジェクトでは、写真総枚数は22,990枚を取り扱い、そのうち修復可能な写真は15,056枚とのことで、すでに8,229枚の写真が修復を完了しているとのことでした。そして、写真を修復して返却した依頼者からも感謝のお手紙が届いていました。
以上のように、「いのち・つなぐ・ちから」を改めて感じさせられた講演会と見学会となりました。
最後に、見学会後の懇親会では、村上先生をはじめ建築学部建築デザイン学科教授の谷口宗彦先生、後援会前年度会長の竹内喜美子様、「あなたの思い出まもり隊プロジェクト」の学生さんにもご参加頂き、楽しいひと時を過ごして、今回の行事を無事終了致しました。