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イベント案内と報告

近畿支部施設見学会報告(2019年3月3日)

近畿支部2019年03月22日

先進工学部 応用物理学科 渡部隆史教授をコメンテーターにお招きし、兵庫県佐用郡佐用町にある 世界最大級の放射光施設SPring-8(Super Photon ring-8GeV)を見学してきました。近畿支部6名(内1名はSPring-8職員)、本部役員2 名、名誉顧問1名の参加でした。今回の見学は、後援会員の1人がSPring-8の職員であり、その方を始め多くの方々のご尽力のおかげで休日の見学会が実現致しました。関係者の皆様に感謝です。
【行程】
1.集合:10:30 JR 新神戸駅
2.出発:11:00 レンタカーにて SPring-8 へ
3.到着:12:30
4.昼食:12:30〜13:30 SPring-8 食堂
5. SPring-8 見学:13:30~16:30
 ①SPring-8ビデオ紹介(於普及棟)
 ②線型加速器見学・・・電子を発生させそれを1GeV※のエネルギーまで加速します。
 ③線型加速器クライストロンギャラリー見学・・・②の加速器のための電源施設です。
 ④シンクロトロン見学・・・②で発生した電子をさらに8GeV※のエネルギーまで加速するところです。
 ⑤蓄積リング見学・・・電子を8GeV※のエネルギーのまま蓄積する加速器です。電子と磁場の相互作用により放射光(X線)を発生させます。
 ⑥実験ホール見学・・・⑤で発生させた放射光(X線)を取り出し、様々な実験を行うところです。
 ⑦中央制御室見学・・・SPring-8及びSACLAの加速器及びビームラインを運転・制御するところです。
6. SPring-8 出発:16:30
7.神戸三宮到着:18:30
8.懇親会:19:00〜「神戸三宮市内」

 

※”1GeV”、”8GeV”は電子の運動エネルギーを表す量です。”G”は「ギガ」と読み、10億と云う意味です。”eV”は「エレクトロンボルト」と読み、数字の電圧で電子が加速された場合に増加する運動エネルギーの単位です。8GeVは80億Vの電圧で加速された場合に電子が持つ運動エネルギーとなります。

 

今回は参加人数、地理、交通費の関係で公共交通機関を使わずにレンタカーで現地まで行きました。車だと、会員同志の距離が近いのでアットホームな雰囲気のドライブとなりました。渡部先生に乗車頂いた方では車中講義が行われ、皆様しっかり予習ができたようでした。

 

昼食の後、まずは紹介ビデオでSPring-8の構成と何に使われているかの概略を学びました。(上記①) SPring-8 は非常に強い(明るいという言葉で説明されていました)X線を発生することができ、自然の光では見えないようなミクロな世界(原子や分子の並び方等・・・)を観測することができるため、材料や医薬品の研究・開発に利用されているという内容でした。身近なものでは自動車のタイヤの開発にも利用されたことがあるようです。

 

次に見学本番です。大型放射光施設SPring-8の職員でもある後援会員さんとその方の上司の方の引率で線型加速器〜実際に観測実験しているエリア(上記②〜⑥)を見学しました。
広大な敷地に地球防衛軍の基地を想像させるような巨大で近未来的な建物があり圧倒されました。全行程2km、ちょっとしたハイキングでした。見学コースは、電子の発生→加速→X線の発生→観測→実験施設まで順番に回りながら、職員の方に丁寧な説明を頂きました。渡部先生には、注目ポイントや理解の助けになる考え方を教示頂いたので、密度の濃い見学となりました。また、休憩ポイントで行った強磁場体感実験ではなんともいえない奇妙な感覚を味わいました。

 

最後は中央制御室で最新式の設備(上記⑦)と、今回は運転中で加速管室・アンジュレータギャラリーに入れなかった SACLA という最新式の放射光施設を放射線管理区域外から見学しました。その後、みんなで一路神戸三宮に向かい、懇親会の焼肉屋で神戸牛を堪能しました。

文筆 近畿支部長 塚田万寿夫

参加者集合写真【普及棟】

①SPring-8 ビデオ紹介

SPring-8 強磁場体感実験

②SPring-8 線型加速器見学

③SPring-8 シンクロトロン見学

懇親会(焼肉店)

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