埼玉支部では,2020年1月18日に恒例の新年会を埼玉県川越市で開催致しました。参加者は、支部役員をはじめ代議員、顧問、相談役、そして大学から後援会副幹事長の先進工学部応用化学科教授の奥村和先生をお招きし、総勢32名での新年会となりました。数日前の暖かい日々から一転した1月本来の寒さと小雨の中、12時に川越市立博物館前に集合し、受付を済ませ出席者全員が揃ったところで、青木支部長から挨拶をいただき、幹事代表の岡田副支部長から本日の予定が説明されました。
その後、ガイドさんの解説で博物館の見学を開始しました。
初めに小江戸川越の模型での説明を受け、お城が敵から攻められないよう十字路は1カ所だけで他は丁字路に、今も江戸時代の道路事情を守っている町並みのお話がありました。また、近代都市川越の展示について、川越大火と蔵造りの町では蔵の窓を一方向に統一することにより火災が発生の際、隣に火が移らぬようにされている説明がありました。同じスペースにある商家の実物大展示では、間口を広く使えるよう雨戸を横に収納するのではなく上に押し上げる木製シャッターのような作りであることを教えていただきました。
川越の職人とまつりの展示では、昔家を建てる時に上棟式が行われ、その際に使用されていた品々の展示があり、鳶の方々が木遣りを行うと言う説明で博物館の見学は終了となりました。
本丸御殿では、各自パンフレットを見ながらの見学でしたが、参加者のみなさんそれぞれに往時に思いを馳せる見学となりました。
巨大な唐破風屋根に,間口3間という立派な玄関を入り御殿内の見学を開始。
ケヤキ材を使用した廊下を通り36畳の広間、そして使者之間・番頭詰所など16もの部屋がありました。また、廊下より見える中庭の景色も最高でした。
美術館では近代の日本画の展示、また市民ギャラリーでは川越市小中学校特別支援学級の子供たちの作品の展示がされていました。
講演会場への移動時間になり再度,博物館前に集合し送迎バス、タクシーに分乗し会場へ移動しました。
講演会では、先進工学部応用化学科教授であり後援会副幹事長を務められている奥村和先生に「社会を支える石油と触媒のお話」と題してご講演いただきました。
まず始めに触媒とは、特定の化学反応速度を速める物質で、自身は反応の前後で変化をしないものとの説明がありました。
現在の石油産業の発展は触媒技術に頼るところが大きく、石油を精製する時にはモノメタル触媒を使用している。
他にもハーバーボッシュ法では史上初めて人工的に窒素からアンモニアを合成できたことで、農業用肥料の大量生産が可能となり、おかげで農産物の生産高が上がったとのことでした。
触媒は、車のマフラーにも排ガス規制で使われていたり、冷蔵庫内にある脱臭剤にも使われていたりします。この様に身近な物に触媒が使われ、触媒によりできた物が多くあることに気付かされました。
今後、身近な物に対し、これまでとは違った見方ができるようなお話しを聞くことができ、たいへんありがたく拝聴致しました。
講演会終了後の懇親会では、芋づくしの御膳をいただきました。芋を使った先付けに始まり、芋そば、そしてデザートまで芋づくしと初めての経験や美味しいお酒、恒例のくじ引きもあり、楽しく有意義な時間はあっという間に過ぎ、最後に岡田幹事代表よりお礼の言葉があり閉会となりました。
最後になりましたが、お忙しい中ご講演いただきました奥村先生と、参加いただきました会員の皆様にお礼申し上げます。
記 金子富雄