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2024年度より後援会の教育推進機構の幹事を務めさせていただき ます齋藤正顕と申します。所属は教育推進機構基礎・教養科です。 専門は数学、とくに整数論やグラフ理論を基礎とした応用数学です。 駅の路線図やインターネット網などのネットワークは、数学的に抽象化すると「グラフ」と呼ばれる図形になります。私はラマヌジャングラフ等に代表される効率の良いネットワークの特徴づけについて数学的な研究を行っております。 工学院大学では、初年次教育、とくに1年生の自然系基礎科目である「微分積分」や「線形代数」に関する授業を担当しております。また、3年生向けには「フーリエ解析」、大学院では(整数論に基づいた)「暗号」についての科目も担当しております。 私は、約15年前、工学院大学の学習支援センター講師として務めさせていただき、その後、早稲田大学の全学部生向けの数学オンライン授業の担当教員、愛知県の大学において文系や情報メディア向けの学生への統計教育の経験を経て2020年度に再び工学院大学の教育推進機構に着任しました。ということで、出戻りの教員です。 着任した2020年度はコロナ禍で遠隔授業が主体でありました。2023年度はコロナが第5類となり、2020年度以降開催が見送られていたハイブリッド留学が実施され、工学部1年生向けのハイブリッド留学に教員として初めて参加しました。2週間、シアトル近郊のグリーンリバーカレッジで現地に滞在している1年生向けに数学の授業をしました。学生さんたちは約2か月間、現地に滞在するのですが、日本にいるときとは見違えるようないきいきとした表情が印象的でした。また、ホストファミリーと一緒に生活することで沢山のことを吸収している様子でした。そのようなたくましく成長している学生さんの姿を拝見し、工学院大学での学生生活でも、いろんなことに触れて成長するきっかけを掴んでいただきたい、また我々教員としてはきっかけを与えるようなお手伝いができればと決意を新たにしました。 数学の研究は一人で紙とペンで行うことが多いというイメージがあるかもしれません。しかし、少人数で共同研究ということもあります。共同研究する場合は、手元の計算や書きかけの論文について黒板に式を書きながらわいわいと議論することもあります。この議論 は、正しさということに真摯に向き合うために、ときに厳しいこともありますが、とても楽しいものです。1年生向けの「線形代数及び演習I~IV」「微分積分及び演習I~IV」という科目はオンデマンド講義と対面授業からなります。対面授業は演習が主体なのですが、 学生さんに問題について発表してもらうときはこの研究のときの議論のような楽しさを感じてもらえたらと思っています。数学に限らず、大学で学ぶ科目、サークル活動、大学生活全般などについて大学に関わる方々すべてが語らうことを大事にしつつ学生の皆様の成長を見守っていけたらと思っております。どうぞよろしくお願い申し上げます。