さる8月27日(土)に、埼玉支部の第1回代議員会、講演会、懇親会を新宿キャンパスにて開催しました。顧問4名を含め35名の参加でした。
【代議員会】
冨永支部長の挨拶から始まり、参加者全員の自己紹介の後、資料に沿って以下の議題の説明があり、承認、確認されました。
1.支部代議員の役割について
2.2016年度支部活動実施計画について
3.キャンパス見学会について、10月1日(土)新宿キャンパス見学会を担当
4.支部研修会について、実施日:11月26日(土)日帰り研修会
行先:新宿キャンパス他 ご講演:先進工学部生命化学科 教授 松野研司先生
5.その他
・支部新年会について、実施日:2017年1月21日(土)行先:鉄道博物館を予定
・大学後援会父母懇談会出席状況と2016年度支部総会ならびに父母懇談会アンケート
回答についての報告
【講演会・懇親会】
今年度、後援会副幹事長に就任された、情報学部コンピュータ科学科 教授 田中久弥先生に、テーマ「脳とコンピュータをつなぐ技術」と題して、ご講演して頂きました。
本題に入る前に、先生が学生に脳波を計る原理を説明する為使われている、猫の耳(脳波センサー)を頭に付け(おでこと耳)ミニ実験を参加者の皆様と行いました。
脳波センサーは電圧計で、プラスとマイナスが交互に振れる交流電圧を測る事が出来る。(電池の場合直流なので、周波数は変わらない。)1秒間に10回波があると10Hz(ヘルツ)の周波数となるそうです。①安静の場合 1秒間に10回 猫の耳がくたりとねる ②緊張・不安・ストレスの場合 1秒間に13~30回に増える 猫の耳がピンと立つ 猫の耳は①、②を判別する機械でした。皆様がとても楽しそうに参加している姿が印象に残りました。
「ブレイン・コンピュータインターフェース(BCI)」脳とコンピュータをつなぐ技術。研究者の中には、BCIで色々な物を動かす研究がされているそうです。頭に帽子のような装置をつなぎ、車いすを制御する、動かない筋肉を動かす、TVのチャンネルを変える、インターネットをクリックし買い物をするなど。
田中先生は、脳波を計測してそこから人間の運動ロボットを動かす装置から始まり、脳波だけで文字や文章を入力する装置(目を画面に出る文字に集中させ、1分間に4文字入力できる)を、20年前から研究されているそうです。その研究は、神経難病者ALS(筋萎縮性側索硬症・筋肉は動かなくなるが、五感は正常)の方に協力して頂き大学病院の協力を得て、ニーズ調査を行い、装置が簡単、生活姿勢、センサーの形状など、色々な点を考え、改善を繰り返しているそうです。(BCIをALSの方に適用した研究は、協力者がなかなかいない為少ない)新しいインターフェースは、コツをきちんと説明し理解してもらわないと、入力の成果が伸びないのでこれも難しいとのことでした。ピクトグラムBCI(良く使うことを絵にし、9個の中から選択する)方法や、音で選択する方法なども研究されているそうです。
先生の次の挑戦は、「認知症」に役立てたいとおっしゃっていました。現在、病院の先生と協力し、アジア人の患者が増えていることで、言葉が通じなくても診断ができる装置の開発と、ロボットを動かす技術をリハビリに使いたいと考えているそうです。
学生に対しても、研究を通して修士・博士を育て、現場のニーズに合わせ常に学生と一緒に問題を共有し、実験やアイディアを理論にする。ゼミで議論し、協力して成し遂げる体験が出来るようにする。論文を書き学会で発表する。(本となってあとに残る)プレゼンテーションの能力や業績を残して卒業してほしいとおっしゃっていました。
20年間ものすごく迷走されたそうですが、大事なことは社会的どう意義のある研究か、学生をどうゆうふうに育てるかを考えることと最後におっしゃっていました。
田中先生は、今回が初めての支部での講演会とのことでしたが、自己紹介では楽しいお話をしていただき、研究内容はとても興味深いものでした。ありがとうございました。
講演会終了後は、田中先生とご一緒に新宿キャンパス中層棟にあるファカルテイクラブにて懇親会を楽しく開催しました。
最後になりますが、首都圏支部の交流といたしましてご参加いただきました、神奈川支部の皆様ありがとうございました。
記:副支部長 鈴木ユミ