12月2日(土)に、神奈川支部文化見学会を開催しました。
当日は天気にも恵まれ、51会員、74名(他支部の参加者9名含)の方が参加してくださいました。
講演会は、工学院大学新宿キャンパスにおいて、建築家デザイナーで後援会副幹事長でもある、建築学部建築デザイン学科教授鈴木敏彦先生をお招きして行いました。
演目は「ニューノーマルの暮らしをデザインする。」
鈴木先生は工学院大学建築学科修士課程修了後、黒川紀章建築都市設計事務所に席を置かれていました。
鈴木先生の講演で興味深く聞き入ったのは、黒川紀章氏の代表作で1972年施工の「中銀カプセルタワービル」のお話です。
2022年に解体された世界で初めて実用化されたカプセル型の集合住宅で、カプセル1ユニットはトレーラーで運搬可能な大きさながら、ユニットバスやベッドが有り、机や冷蔵庫などはビルトイン方式で壁に収納され、高価なオーディオセットもある未来的デザインの個人の自由が尊重されていてとても魅力的でした。住んでみたかったです。
鈴木先生は、「動く中銀カプセル」の保存・再生プロジェクトの活動を続けておられ、この1カプセルを個人的に2022年4月に購入し、移動可能なトレーラーカプセルとしてプロデュースし、カプセルのデザイン監修をされました。
また2022年3月にもWithコロナの暮らしに便利なHOME OFFICEを、ヨドコウプラスから発売され工学院大学教授の中島先生が購入されたそうです。
この他にも携帯可能なポータブルシールド、ダンボールシェルターのデザイン。2023年11月には「次世代を担うデザイン展2023」にてデザイナー協会賞、優秀賞を受賞されています。
「中銀カプセルタワービル」のビデオも見せて頂き、1時間の講演会はあっという間でした。
個人的に「ニューノーマル」を調べてみました。
ニューノーマルの直訳は「新しい常態」という意味で、社会に起こった大きな変化が新しい常識として定着すること。
鈴木敏彦先生の講演後、参加会員の皆さんで亀戸升本のお弁当「福弁」を美味しく頂きました。
見学会は、『普段行けそうで行けない場所』をコンセプトに、羽田空港制限区域を見学しました。
14時、バス2台に乗り工学院新宿キャンパスを出発し、渋滞もなく早めに羽田空港に到着しました。
時間に余裕がありましたので、ツアーガイドさんと相談して展望デッキに移動し1号車、2号車で分かれて集合写真を撮影しました。
15時半、いよいよ羽田空港制限区域の見学バスツアーの始まりです。
制限区域内のバスツアーには誓約書の提出、身分証明書の提示、持ち物の検査など、二重になっている厳重な入口で行った後、制限区域内に入り見学開始になりました。
羽田空港にはA~Dの4つの滑走路がありますが、A滑走路をメインに見学しました。
サウストンネルの抜けると目の前には広大な敷地が、JAL、SKY、ANAの格納庫の横を通ります。バスの中から格納庫の中に飛行機が入ってないか見ながら、巨大なエンジンが何個もストックしてあるのにびっくりしたり、進んだ先の巨大な燃料タンクに目を見張ったりしました。
次に見たのはブラストフェンス。エンジンのジェット噴射から人や物を守るため。ここでエンジンの試運転をします。
A滑走路を横切り国際貨物の手前で暫くバスは停まり、ひっきりなしに空港に着陸する飛行機を見ながら、バスツアーガイドさんの問題に答えたりと楽しい時間でした。
日が段々と暮れていく中バスから見る景色も一段と素敵でした。
第3ターミナルに綺麗に並んだ飛行機達を見ながらノーストンネルを通り、国内貨物、消防庁舎、管制塔そしてエアサイド連絡橋、空港の西側と東側を結ぶ連絡橋は左右に太いワイヤーで橋を支えて最大50tの重さの車輌まで通行することができるそうです。この橋を通る時も赤い夕暮れの中に、今日のご褒美のように富士山が見え感動しました。
連絡橋を越えて第1ターミナルの北側から南側へ移動する際には、正にマジックアワーの時間帯で、しかも多くの飛行機達の向こうに夕暮れの富士山が見れて、更にテンションが上がりました。
90分間の羽田空港制限区域内の見学バスツアーが無事終わりました。
鈴木敏彦先生の講演と羽田空港制限区域内の見学バスツアーの濃い内容の文化見学会に、充実した1日となりました。
末筆ではございますが、文化見学会に参加してくださった会員の皆様、講師をしてくださった鈴木敏彦先生、応援に来てくださった他支部の方々、運営をサポートしてくださった後援会事務室の方々、そして企画や準備を一緒に行った支部代議員の方々、皆様に心から感謝申し上げます。
本当にありがとうございました。
(記:副支部長 佐藤 八千代)