9月8日(土)、八王子キャンパスいぶきホールにて、神奈川支部主催の文化講演会が開催され、一般会員、代議員、本部及び他支部、合わせて51名が参加しました。
今回は「工学院大学その学部を知る」という総合テーマの下、初の企画としてパネル・ディスカッション形式で行ないました。
今回のプロジェクト・リーダーの木村副支部長の司会で講演会が始まり、中村支部長の挨拶、遠藤副学長から工学院大学の実就職率が初めて7位に入るなどの就職の話を含めた挨拶をいただきました。
続いてパネル・ディスカッションのファシリテーター、二上教授にマイクを渡し、自己紹介、年度始めの新入生に行なうアクティブ・ラーニング授業を体験しました。4人ずつのグループに別れ、1人1分30秒の持ち時間にて、子どもの学科や学年、本イベントに期待することなどを話し、グループ内で質疑応答するアイスブレークが行なわれました。個人発表の順番はさまざまでしたが、時間内でのコミュニケーションをうまく取っていくことが社会に出ていく上で重要で、その能力を養うためにこのような授業も行っているとのことでした。
引き続き、二上教授から全学的な取り組みに関する情報として、大学教育の質保証というキーワードで、3点のポリシーの説明がありました。
①アドミッション・ポリシー(入口)⇒ どのような人に入学してもらいたいか。
②カリキュラム・ポリシー (中身)⇒ 教育課程編成・実施の方針。
③ディプロマ・ポリシー (出口)⇒ どのような能力を修得したら学位が授与されるか。
変化の激しい時代に生き残れる人材の育成が大学のミッションとなっていると痛切に思われているとのことでした。
その後パネル・ディスカッションとして、まず先生方からの学部紹介をいただきました。
1) 奥村 和 教授(先進工学部 応用化学科)
・クォーター制にすることにより、短い学習サイクルで理解度を高めるようにし、海外留学がしやすい学期制にしている。
・入学時には総合ということで、2年時の第2クォーターまでにどの学科に入るかを考えるという、柔軟な方法も出来るようになっている。
・4年生の段階で大学院の講義を受けられるようにして、大学院への進学を奨励している。
2) 福岡 豊 教授(工学部 電気電子工学科)
・社会を支えるのが工学部の特徴となっている。
・機械工学科は機械を作る、機械システム工学科は機械をより賢く安全に快適に動かす、電気電子工学科はエネルギー、情報を電気で操って動かすことを学んでいる。
・機械系では4力学、電気系ではE3Sが学ぶ内容のキーワードになる。
3) 星 卓志 教授(建築学部 まちづくり学科)
・工学部の中に建築学科があるのが日本の大学の状況だったが、初めて独立して建築学部を作ったのが工学院大学である。
・建築は、建物を作るだけでなく、材料、構造、デザイン、仕上げ等、多様な技術の総合で成り立っており、それらを一通り学ぶ必要がある。
・ハイブリッド留学では、英語への恐怖心が無くなることが期待出来る。
4) 浅野 太 教授(情報学部 コンピューター科学科)
・入学時には学部定員の約半分が総合ということで、色々な授業を聞いてみて2年時の第2クォーターまでに自分の進む学科を考えられるようになっている。
・ステップアップ制になっており、高校で習わないプログラミングを段階毎にクリアしないと次に進めない仕組みになっている。
・上級生が下級生を教えるティーチング・アシスタント制度(TA)があり、教えることにより知識を高められ、アルバイトにもなる制度がある。
最後に二上教授から質問、先生方から回答の形で深堀も行ないました。
Q:先進工学部の化学系3学科の違いは?
A:生命化学科は、有機合成の手法で創薬することと生物系の研究が柱となっており、応用化学科は生命、材料等化学全般を扱い、環境化学科は、医学と工学が融合したような学問。
Q:工学部の機械工学科と先進工学部の機械理工学科との違いは?
A:機械理工学科は、産学連携の教育と機械の学びに加え英語を学ぶ。機械工学科はそのような実践的なカリキュラムがない分、基礎を固めてから進むという違いがある。
Q:建築学部では幅広く学ばないといけない領域の中で、設計課題をどのように捉えて重視しているのか?
A:建築を勉強する上では避けて通れないもので、やりながら自分の向き不向きが分かり、まちづくり等、他の分野に行くにしても、設計するという行為を理解しておくことは必要ということで課題を行っている。
Q:情報学部では学科によって進路の違いがあるのか?
A:4年卒では進路に差はなく、求人ではシステム・エンジニア、プログラマーが多く、大学院卒になるとメーカーが視野に入ってきて、研究室の研究内容によって進路が違ってくる。
Q:「工学院大学でこのようなことを学べることが良い」ということを一言で言うと?
A:奥村 和 教授:「社会に出て必要な、人との接し方等のソフトスキルが学べる。」
A:福岡 豊 教授:「ソーラーカー等の学生プロジェクトに参加することで、責任感とか実際に物を動かすことを学べる。」
A:星 卓志 教授:「色々な分野の先生がいて、幅広い知識が学べ、選択の幅も広がる。」
A:浅野 太 教授:「プロブレム・ベースト・ラーニングということで、講義を聞くだけでなく、実践で学べる。」
いぶきホールでのパネル・ディスカッションの後は、場所を学食ステラに移して茶話会が行われました。水谷副支部長の司会にて、中村支部長の開会挨拶に続き、遠藤副学長、冨永会長からご挨拶をいただきました。続けて福井副支部長の乾杯の音頭で宴が開会しました。
会場で聞けなかったことを聞くなど、先生方と会員の活発な交流がもたれ、和やかな雰囲気の中あっという間に時間が過ぎ、最後は浅見副支部長の締めでお開きとなりました。
略儀ながら、学会シーズンにもかかわらず、今回の初めての試みに快くご協力頂きました先生方、ご支援頂きました後援会・学校関係者の皆様、茶話会へご協力頂きました生協食堂の皆様、本部及び支部間交流で参加頂きました埼玉支部、東京支部の皆様、そしてご参加されました神奈川支部会員の皆様に、この場を借りて深く感謝申し上げます。
12月1日にも神奈川支部企画のイベントを開催致します。多数の皆様の参加をお待ちしております。
(神奈川支部 会計監査 新屋正芳)
1.遠藤副学長大学代表ご挨拶
2.神奈川支部長挨拶
3.パネルディスカッション
4.冨永会長ご挨拶
5.学生たちの普段の食事と同じ味を堪能しました
6.全員集合